損益分岐点分析の解き方1






トップページ » 2級販売士対策 » 損益分岐点(BEP)の計算が分かりません①

損益分岐点(BEP)の計算を教えて①

質問内容

管理人さんにどうしても教えていただきたい問題があり、メールしました。

●次の資料(すべて売価で示してある)は、A店の損益計算書に基づいて作成したものである。次年度の変動比率は変わらないが、固定費は250万円増加予定である。目標利益は、500万円増やして2000万円とする。この場合、次のア~ウについて、計算せよ(答えに端数が生じた場合は、万円未満を四捨五入せよ)。

ア. 次年度の目標売上高
イ. 次年度の変動費が2.0%上昇した場合の目標売上高
ウ. 現在の売上原価率が40%として、次年度の原価が2.0%上昇した場合の目標売上高

<資料>

売上高   37,500万円
変動費   26,250万円
限界利益  11,250万円
固定費    9,750万円
利益      1,500万円

自分では、公式をみてもどうあてはめて計算していいのか分からず、困っています。
どうぞ、教えてください!

 解説【ア】

公式で解くこともできると思いますが、考え方を知っていれば公式を覚える必要はありません。以下の解説を参考にして「考え方」を押さえて下さい。単純化することがポイントです。

ア 【次年度の目標売上高】

まず、現在の変動比率を計算しておきます。26,250÷37,500=70%
併せて、限界利益率も計算しておきましょう。11,250÷37,500=30%
次に、<資料>の金額がどのようになれば良いのかを指示に従って入れてみます。
売上高   37,500万円
変動費   26,250万円
限界利益  11,250万円⇒12,000万円・・・①
固定費    9,750万円→10,000万円
利益      1,500万円→ 2,000万円

~解答プロセス~
①ここで、固定費と利益を達成するためには、限界利益が12,000万円必要だと分かります。
問題文では、変動比率は変わらないと言っていますので、70%です。つまり、限界利益率も30%で変わらないということが分かります。
だとすると、12,000万円を達成するためには、これを限界利益率で割ってやれば必要な売上高は計算できる訳ですから、12,000万円÷30%=40,000万円。よって、40,000万円が解答です。
試しに、売上高が40,000万円で試算をしてみると、以下のようになります。

売上高   37,500万円⇒40,000万円
変動費   26,250万円⇒28,000万円(変動比率70%)
限界利益  11,250万円⇒12,000万円(限界利益率30%)
固定費    9,750万円→10,000万円
利益      1,500万円→ 2,000万円

 解説【イ】

イ 【次年度の変動費が2.0%上昇した場合の目標売上高】

これも、もともとの資料を使って単純化して考えてみます。
固定費と利益が変更するのは、問題文から明らかですので、まずは変更を行います。
売上高   37,500万円
変動費   26,250万円(変動比率70%)
限界利益  11,250万円(限界利益率30%)
固定費    9,750万円→10,000万円
利益      1,500万円→ 2,000万円

~解答プロセス~
①続いて、変動費が2.0%上昇した状態を考えます。
変動費が26,250万円から2.0%上昇した状態は、26,755万円。
だとすると、変動比率は26,755÷37,500=0.714(71.4%)
②ちなみに、目標となる限界利益は固定費と利益を補える金額が必要ですから、固定費+利益の12,000万円です。

売上高   37,500万円
変動費   26,250万円⇒26,755⇒(変動比率71.4%)・・・①
限界利益  11,250万円(限界利益率30%)⇒12,000万円・・・②
固定費    9,750万円→10,000万円
利益      1,500万円→ 2,000万円

これさえできれば後は単純です。
変動比率が71.4%になるということは、限界利益率は100-71.4%の28.6%となります。
だとすると、12,000万円を達成するためには、12,000万円÷28.6%=41,958.04

万円単位で四捨五入をして41,958万円が解答です。

この問題では、変動費が2.0%上昇するのであって、変動比率が2.0%上昇するわけではありません。つまり、変動比率を72%とやってしまうと作問者の罠に引っかかります。
変動費と変動比率の意味、違いを理解しておくことがポイントです。

解説【ウ】はこちらで。



第37回(2009年10月)試験対策情報

販売士検定情報サイトNo.1

おかげさまで販売士の情報量No.1! 3級から1級まで対応しています。
2008年の運営開始から更新を続け、情報量が多くなっております。販売士合格へ向け有効にご活用いただくために、サイト内をゆっくり循環して散らばった宝の情報を掘り当ててください。基本的には、各級ごとに情報をまとめてあります。