損益分岐点分析の解き方2






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損益分岐点(BEP)の計算を教えて②

質問内容

●次の資料(すべて売価で示してある)は、A店の損益計算書に基づいて作成したものである。次年度の変動比率は変わらないが、固定費は250万円増加予定である。目標利益は、500万円増やして2000万円とする。この場合、次のア~ウについて、計算せよ(答えに端数が生じた場合は、万円未満を四捨五入せよ)。

ア. 次年度の目標売上高
イ. 次年度の変動費が2.0%上昇した場合の目標売上高
ウ. 現在の売上原価率が40%として、次年度の原価が2.0%上昇した場合の目標売上高

<資料>

売上高   37,500万円
変動費   26,250万円
限界利益  11,250万円
固定費    9,750万円
利益      1,500万円

 解説【ウ】

 解説の【ア】と【イ】はこちらでご確認下さい。

ウ 【現在の売上原価率が40%として、次年度の原価が2.0%上昇した場合の目標売上高】

まず、前提条件はア・イと同じですので、固定費と利益、限界利益を変更しておきます。
利益は1,500万円+500万円の2,000万円
固定費は9,750万円+250万円の10,000万円です。

売上高   37,500万円
変動費   26,250万円
限界利益  11,250万円
固定費    9,750万円→10,000万円
利益      1,500万円→ 2,000万円

~解答プロセス~
次に、売上原価率が40%とありますので、どのような構成になっているのか考えます。
売上に対する原価が40%ですから、下のように示すことが可能です。
なお、売上原価と固定費以外の費用は変動費ですが、ここでは分かりやすいように「その他費用」として区分しました。

売上高    37,500万円
売上原価   15,000万円(売上原価率40%)
売上総利益  22,500万円(売上総利益率60%)
その他費用 11,250万円
固定費    9,750万円 
利益      1,500万円

ここで、次年度の原価が2.0%上昇することを計算します。
15,000×1.02=15,300万円。つまり、売上原価率は15,300万円÷37,500万円ですから、40.8%になることが分かります。
これらを同じ図式に整理してみます。

売上高    37,500万円
売上原価   15,000万円⇒15,300万円(売上原価率40.8%)【変動費】
その他費用 11,250万円⇒11,250万円【変動費】
変動費合計 26,550万円(15,300+11,250)【変動比率70.8%】①
固定費    9,750万円⇒10,000万円
利益      1,500万円⇒2,000万円

上記のうち、売上に伴って変動する費用は売上原価とその他費用ですの2つです。これらの2つの費用は、売上の増加に伴って変動してきます。
だとすると、(売上原価+その他費用)=変動費ですから、これらを売上高で割ることで変動比率を計算することができます。
変動比率=26,550÷37,500=0.708(70.8%)・・・①
変動比率の逆が限界利益率ですから、1-0.708=0.292が限界利益率。

あとは、必要な目標利益を求めるだけです。
固定費+利益=12,000万円を達成するためには、限界利益率で割ってやります。
12,000÷0.292=41,095.89
すなわち、41,096万円が解答となります。

注意すべき点は、売上原価率は2%上昇するのであって、42%になるわけではない。
また、変動費と固定費の按分をしっかりと行うことです。



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