税理士試験
1.試験分析
受験者の傾向
難関国家試験であるが、科目合格制度を採用しているのが税理士試験の最大の特徴となっている。いくつかの科目の中から、最終的に5科目を積み上げれば税理士合格となり、この科目受験は1年に何科目しか受験できないなどの制限はない。また、合格済み科目は一生有効となる。
科目合格制度を採用していることから、公認会計士に比べ社会人の受験者が非常に多い。毎年、税理士試験が終わって1年が終わる、というような受験生も多い。
税理士試験の科目選択の都合で、専門学校生や大学生には会計(簿記、財表)の受験者が多い。税法に進むにつれ、受験者の層が厚くなる。
採点方法
満点中60%以上という絶対基準はあるが、合格率固定の相対評価試験。(合格率は各科目10%〜15%程度)
難易度
税理士試験は科目合格制度のため、難易度が低い印象があるが、1科目ごとの内容は深い。簿記や財表は初学者が多くなっているが、税法に進むとかなりの激戦で難易度が上がる。
それは、簿記・財表という10%の試験に合格した受験者がさらに税法科目において10%の合格率を争っているからである。税理士試験には会計科目と税法科目があるが、両者は試験の性質を異にしていると言え、さらに税法科目は基本科目とマニアック科目でまた受験者の層が異なる。科目ごとに受験者の層などが大幅に異なるという特徴がある。
一般的な勉強期間
1年で1〜2科目の合格が目安で、3年〜5年で税理士合格(5科目合格)となれば早い方だ。10年以上勉強を続けている受験者も非常に多い。
通常は、会計科目から勉強するのがスタンダードのため、簿記の知識がある人とない人とで勉強プランが変わってくる可能性がある。
1年で1科目ずつ勉強すると5年で税理士となれるが、それでも5年はかかることになる。また、各科目を1回の受験で合格できるとは限らず、当初から5年計画だとたいていはそれ以上にズレ込むことになる。
昔は、5科目一括合格者が毎年何人かは輩出されていたが、最近はほとんどいない。なお、5科目一括合格者のほとんどは、1年で合格したわけではなく、1回の受験で合格したわけでもない。例えば、1回目の受験で3科目受験し、全て不合格。次の年に新たに2科目を追加して勉強して、一気に5科目合格と言うケースがほとんど。つまり、1年の受験(勉強)あるいは1回だけの受験で5科目を一括取得するのはほぼ不可能に近い。
2.試験情報
受験資格
[1.学識]
・大学又は短大を卒業した者で右欄のいずれかに該当する者
:法律学又は経済学を主たる履修科目とする学部(法学部、経済学部、商学部、経営学部)・学校を卒業した者
:上記以外の学部(文学部、工学部など)・学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
(※「法律学に属する科目」には、法学、法律概論、憲法、民法、刑法、商法、行政法、労働法、国際法等が該当します。「経済学に属する科目」には、(マクロ又はミクロ)経済学、経営学、経済原論、経済政策、経済学史、財政学、国際経済論、金融論、貿易論、会計学、簿記学、商品学、農業経済、工業経済等が該当します。)
・大学3年次以上の学生で右欄のいずれかに該当する者
:法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者
:一般教育科目、外国語科目、保健体育科目及び専門教育科目という従来の4区分制を採用している大学等において法律学又は経済学に属する科目を含め36単位(外国語及び保健体育科目を除く最低24単位の一般教育科目が必要)以上を取得した者
・専修学校の専門課程((1)修業年限が2年以上かつ(2)課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、これらの専修学校等において法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験に合格した者
・旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者
・公認会計士試験短答式試験合格者(平成18年度以降の合格者に限る。)
・公認会計士試験短答式試験全科目免除者
[2.資格]
・日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者
・社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限る。)
・会計士補
・会計士補となる資格を有する者
[3.職歴]
・以下の事務又は業務に3年以上従事した者
:弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務
:法人又は事業を営む個人の会計に関する事務
:税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務
:税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務
[4.認定]
国税審議会により受験資格に関して個別認定を受けた者
試験内容
・簿記論(複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記のほか工業簿記を含む。ただし、原価計算を除く。 )
・財務諸表論(会計原理、企業会計原則、企業会計の諸基準、会社法中計算等に関する規定、会社計算規則(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く。)、財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則、連結財務諸表の用語・様式及び作成方法に関する規則)
・法人税法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・所得税法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・相続税法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・消費税法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・固定資産税法(当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・住民税法(当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・事業税法(当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・酒税法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
・国税徴収法(当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む)
※受験科目数は、免除申請科目と併せて会計学2科目以内、所得税法又は法人税法を含めた税法3科目以内の合計5科目以内です(受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。)
○消費税法と酒税法は、いずれか1科目の選択に限ります。
○住民税と事業税は、いずれか1科目の選択に限ります。
合格基準
各科目とも満点の60%で科目合格
(5科目合格して税理士合格となる)
試験日
8月上旬
試験地
札幌、仙台、川越、草加、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、熊本、那覇
(平成20年の場合)
受験料
申込科目数によって、3,500円〜7,500円までの5段階がある。
(1科目3,500円、2科目4,500円、3科目5,500円、4科目6,500円、5科目7,500円)
申込期日
5月中旬〜下旬
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