資格試験を知る⇒【確実に理解する】
資格試験は現在約3,000種以上あると言われています。昨今では、ご当地検定など流行の試験も増えてきました。
しかし、資格試験の中心的存在となっているのは、職業に関するもので、特に独占業務が与えられていたり、特別な知識を習得できるものが人気のようです。いわゆるビジネス系資格です。
資格試験についてある程度知っておくと言うのは、資格試験の勉強をするうえで大変重要です。そこで、資格試験を高確率合格法の観点から分類して整理しておきます。
高確率合格法では、資格試験の勉強内容(法律系や会計系など)ではなく、資格試験の採点方法を重視します。採点方法とは合格の基準をどのように判断しているかということです。この考え方は極めて重要にもかかわらず、多くの受験生は詳しく把握していません。
この合格基準をしっかりと把握することが、合格の可能性を引き上げるうえではとても重要な要素となってきます。
絶対基準と相対基準(絶対評価と相対評価)
絶対基準というのは、○○点以上で必ず合格する試験のことを言います。100点満点のうち70点以上で合格(あるいは100%中、70%以上で合格)というような基準が設けられ、70点(70%)が絶対値として設定されます。この採点方式は、国家資格よりも公的資格や検定などに多いパターンです。絶対基準方式の試験の特徴は、
- コンピューターによる採点形式、つまりマークシート形式の試験が多い
- 合格率(合格者数)が難易度により大きく変動する
- 合格率は30%~50%の試験が多い
上記はあくまでその傾向が強いということですが、合格率が難易度によって大きく変動することは間違いのない事実です。合格基準は絶対的であり、固定されています。そのため、本試験の問題が難しい場合には多くの受験生が合格基準に達することができませんので、合格率(合格者数)は減少します。本試験の問題が簡単であった場合には、大量の合格者が輩出されることとなります。
相対基準というのは、上位○○%位で合格する試験のことを言います。一応は絶対基準と同様に「○○点以上で合格」という基準が設定されている場合が多いですが、基本的には形骸化しています。絶対基準とは根本的に考え方が異なるので注意してください。上位○○%が合格する訳ですから、自分が何点取ったのかはさほど重要視されません。
重要なのは、自分が上位何番目にいるか、ということです。何点であろうが、上位○○%以上であれば合格しますし、それより下位である場合には不合格となります。
この試験の特徴は、
- 本試験の難易度によって合格率が変動することはあまりない
- 合格率は3~15%程度の試験が多い
あくまで自分とそれ以外の受験者を相対的に比較して合格者が決定されますので、本試験の難易度は合格率に影響を与えません。どのような難易度の問題であっても安定して○○%の合格者が輩出されます。この採点方式を取る試験は、国家資格に多く、中でも○○○士という名称の試験に多く見られます。
具体例を見てみます。あなたが受ける試験はどちらの採点方式によるものか調べてみてください。通常であれば、過去5年間の本試験の合格率を見れば簡単に判断することができます。(データは若干古いですが、2014年など最近に入っても傾向は変わっていません)
司法書士試験合格率推移 | |||
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受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
1997年 | 21,158 | 539 | 2.6% |
1998年 | 21,475 | 567 | 2.6% |
1999年 | 21,839 | 577 | 2.6% |
2000年 | 22,715 | 605 | 2.7% |
2001年 | 23,190 | 623 | 2.7% |
2002年 | 25,416 | 701 | 2.8% |
2003年 | 28,454 | 790 | 2.8% |
2004年 | 29,958 | 865 | 2.9% |
2005年 | 31,061 | 883 | 2.8% |
2006年 | 31,878 | 914 | 2.9% |
2007年 | 26,860 | 919 | 3.4% |
上記は難関試験の一つと言われている司法書士試験の合格率の推移です。2007年度の合格率は0.5%ほどアップしていますが、それ以外の過去9年間はほぼ合格率が一定です。司法書士試験では特に合格基準を設けていませんので、明らかに上位約3%が合格する試験だということが言えます。つまり、絶対評価の代表格です。
続いて日商簿記3級試験の合格率推移を見てみます。
日商簿記3級合格率推移 | |||
---|---|---|---|
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第109回 | 70,262 | 22,355 | 31.8% |
第110回 | 79,825 | 46,520 | 58.3% |
第111回 | 89,482 | 19,574 | 21.9% |
第112回 | 80,570 | 37,407 | 46.4% |
第113回 | 78,640 | 27,529 | 35.0% |
第114回 | 93,890 | 42,428 | 45.2% |
第115回 | 74,059 | 26,083 | 35.2% |
第116回 | 85,872 | 36,501 | 42.5% |
第117回 | 95,895 | 29,934 | 31.2% |
第118回 | 83,112 | 31,749 | 38.2% |
上記は検定試験の代表格である日本商工会議所主催の簿記検定3級の直近試験10回分の結果です。日商簿記検定は2級と3級は絶対評価、1級は相対評価となっています。(一応、1級は絶対基準がありますが、実態は相対評価により合否判定されています)
司法書士試験と比べると、合格率の変動幅が極めて大きいことが分かると思います。司法書士試験では、大きくても0.8%のブレしかありませんが、日商簿記3級にあっては最大で36.4%(21.9%と58.3%の差)のズレがあります。これは司法書士試験の45.5倍のズレです。
前述したように、検定試験では能力評価の位置付けが強く、それほど合格者数の数は重要ではありません。よって、客観的な絶対基準により、合格判定を行っているものと考えられます。
一方、国家試験の○○○士などは独占業務が定められているものも多く、ある程度合格者数を調整する必要があると考えられます。合格者が少ない分については何ら問題がありませんが、急激な合格者の増加は○○士の市場に大きな異変を起こす恐れがありますし、大量に合格者を輩出することでその資格の価値が低下する恐れもあります。その議論は司法試験のロースクール問題で今も未解決です。
相対評価試験を前提に合格を考える
このように、絶対評価と相対評価では試験の採点方式が変わります。高確率合格法では、相対評価の資格試験に焦点を合わせて構築されています。絶対評価の場合、基準以上の得点を取ることが要求されますが、相対試験では上位○%以上の得点を稼ぐことが要求されます。
両者は似ていますが、根本的に相対基準による試験は競争試験です。上位○%以上にランクインするという競争に勝てる者のみが合格を勝ち取るわけです。絶対基準のみの試験を受けるだけならば問題ありませんが、多くの受験生は相対試験の資格試験を受験することを考えると、やはり相対試験で合格できる合格法を考える必要があります。
基本的には絶対試験でも相対試験でも学習方法は変わらないのですが、相対試験を意識して学習を行うことによって絶対試験でも当然に通用することから、高確率合格法では万全の体制を期すために相対試験に対する合格法を推奨しています。
ところで、相対試験を前提に合格を考えるということによって、次の点が浮き彫りになります。非常に重要な考え方ですから、何があっても忘れないようにしてください。
受験生全員が共通して勉強するであろうことを自分も勉強する
詳しくは別の章で触れていきますが、上記の考え方は高確率合格法の核となる考え方です。上位○%しか合格できない試験だとすると、受験生全員よりも幅広い知識や受験テクニック、精神論などが重要になりそうですが、最も重要なのは「みんなが知っていることを自分も知っていること」なのです。逆に、自分だけが知っていてもみんなが知らなければ全くの無意味だ、と高確率合格法は考えています。
相対試験を攻略する上で重要なのは、「みんなと同じ知識を正確に押さえる」、ただそれだけなのです。そのみんなと同じ知識をどう集め、そして正確に押さえるために何をするのか、これが高確率合格法の核心部分になります。
高確率合格法の考え方
高確率合格法の導入
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