苦労しないで経営指標を覚えよう






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経営分析の指標はどうやって覚えますか

回答:内容と合わせて押さえます

2級販売士に限らず3級販売士でも問われる経営分析の計算問題。なかなか厄介ですね。確かに、こればかりは指標ですから、ある程度割り切って暗記をしていくしかありません。

ただし、内容を無視して覚えようとしても、覚えることはできますが、すぐに忘れてしまいます。ですから、最初のうちは「覚えよう、覚えなければならない」というような意識はしないで、とりあえず実際に計算をして、その計算で何が分かるのか、あるいは何をしようとしているのかを考えるようにした方が良いです。

それを5回も繰り返せば、気付いたときには自動的に覚えているはずです。計算式だけを覚えようと強く意識しないことがポイントですね。

一応、覚え方について触れていきますので、興味のある人は目を通してみてください。場合によっては、これを読むだけでインパクトがあれば一発で覚えることができます。

ワンポイントアドバイス

2級販売士の経営指標として改訂版のハンドブックに記載されているのは、それほど多くはありません。3級販売士でも触れているものも中にはあります。大きく、収益性、安全性、効率性の3つの区分に基づいて、それぞれの指標を見ていきます。

・収益性

収益性は、売上高対売上総利益率、売上高対営業利益率、売上高対経常利益率の3つが上げられていますが、この計算式を覚えるポイントは簡単です。

それは、ゴジラ対モスラと覚えておきましょう。別に冗談ではありません。ゴジラは飛べませんね。だから、分母にきて、モスラは空を飛べますから上の分子にくる。だとすると、ゴジラ対モスラ=モスラ/ゴジラになりますね。それがそのまま計算式になります。ですから、利益を売上で割るだけですね。

このように、○○対□□比率という名称は、たいていこの概念に当てはまります。
総資本経常利益率も、総資本と経常利益の間に対が入ると思えば同じように使えますし、自己資本利益率も同じです。

ゴジラ対モスラ。もう覚えました?逆に覚えたら全部狂いますから注意して下さいね。

ちなみに、内容的に考えても、収益性の指標は×100をしますから、それほど大きな数字になることはありません。100円ものを売って、1円の利益だと、売上高対売上総利益率は1%ですね。利益率は大きくても50%には行きませんから、これを知っていれば逆に割り込む(つまり、売上を利益で割る)ということは計算結果が明らかにおかしくなるので大丈夫でしょう。

・安全性

安全性は、流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率の5つが上がられています。これはなかなか面倒ですね。計算以外に内容も問われる可能性は高いですから、しっかりと内容を押さえておいた方が良いと思います。

流動比率と当座比率は合わせて覚えます。どちらも、大きい方が良い、というのを覚えておきましょう。これを覚えていれば計算式は自動的に分かります。つまり、流動的な資産と負債のバランスの安全性を見たいわけですね。だとすると、負債よりも資産の方が多い状態が良いわけです。なので、資産を負債で割って、100%を超える(つまり、資産の方が多い)のが良い、ということです。

当座比率は、流動資産の中の当座資産(簡単に言えばすぐお金になるもの)に着目したものですから、単純に当座資産を流動負債で割ってやって100%を超えていれば安全ですね。負債は一種の借金と考えても良いわけですから、借金よりも当座(現金)が多い方が安全です。

固定比率は、小さい方が良いです。この結論をまずは押さえます。流動比率と当座比率は短期的な観点から安全性をみました。ですから、「流動」という言葉がついていて、今度の固定比率は長期的な観点でみますから、「固定」とついています。

例えばあなたがロレックスの時計をローンで100万円で買いました。この時点で、長期的に時計を保有しますからロレックスの100万円は固定資産に計上されます。一方で、ロレックスのお金をローンで払うわけですが、あなたの貯金は今いくらですか。10万円?だとすると、固定比率は固定資産/自己資本ですから1000%!これだと完全に破産しますね。一方、私は1000万円の貯金があったとすれば、固定比率は10%で小さいから安全です。このように、固定比率は100%以下が安全ですね。100%以下というのは、つまり100万円以上持っている状態だということです。

固定長期適合率は、人からの借金を加えたらどう?ということです。あなたは自分の資金は10万円しかありませんね。でも、固定負債として100万円の借金を友人からしておいたとします。その場合、固定長期適合率は(100/110)×100=約91%で、100%以下なのでまずまず安心ですね。ロレックスのローンは返せそうです。その代わり、友人への借金をどう返すかはまた別のお話ですけどね。このように、長期的に自分が持っているお金でしっかりと返済できるかどうか、という観点で考えおけば難しくないですね。

自己資本比率は、全ての資本に対する自分の資本の比率です。大きいほど良いですね。例えば、あなたが車とか家とかロレックスの時計とか、1000万の資産があったとします。ただし、ローンは残っているかもしれませんけどね。そして、貯金が500万だった場合、自己資本比率は50%です。まあまあの線ですね。これが、手持ちの預金が100万しかない場合、自己資本比率は10%しかなく、こりゃあいつか倒産ならぬ破産の可能性が高いわけです。

・効率性については、売上債権回転率、売上債権回転期間、仕入債務回転率、仕入債務回転期間、棚卸資産回転率、棚卸資産回転日数が上げられています。

売上債権回転率と、仕入債務回転率を見ていきます。覚えておいて欲しいのは、回転率と出てきたら、必ず売上高あるいは仕入高が絡むということです。売上債権回転率とは、売上債権の回収速度のことですが、仕入債権の場合は仕入の支払状況です。どちらも、数字が大きければ速いということです。

売上債権回転率は、例えば飲み屋に行って10万飲んだとします。そのお店のママとは知り合いで、手持ちがないので「今度持ってくるよ」と言った。(これがいわゆるツケというやつで、売掛金というものです)ママは回収する必要があるわけですが、何度か催促したけれど全部回収できなくて、まだ5万円残っている。その場合の回転率は、2回です。しかし、結構頑張って、残り2万円になったら、回転率は5回です。ですから、売上債権回転率が大きいということは、回収が順調だったり、ママが頑張って催促しているということですね。

仕入債権回転率も同じように考えてください。この場合は、小さくなる方が、ママが支払いを滞らせていることになりますが、経営上はそのほうが安定します。ただ、取引してくれなくなる可能性もありますけどね。

売上債権(仕入債務)回転期間というのは、上記の回転率を日数計算しただけです。1年は365日ですから、そこから割ってやれば良いですね。

棚卸し資産についても同じことですから、当てはめてみてください。売上に対して、どのくらい商品が回転したか、ということです。これは、速い方が良いですね。くるくる寿司に行って、古い寿司がずっと回っているととりたくないですよね。この場合、寿司の回転率が悪いんです。でも、常にお客さんが入っていて、寿司をみんなが食べていれば、回転している寿司も新鮮ですね。

以上、参考になれば幸いです。



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