本試験に棲む魔物
資格試験には魔物が住んでいると言われます。あるいは、水物(みずもの)と言った言い方をされることもあります。
模試(模擬試験)で優秀だった受験生が不合格となることは、決して珍しいことではありません。模試で優秀な成績を収めているのであれば、極めて合格できる確率は高い訳ですが、「なぜあの人が?」という人に限って合格することができない。
これは、本試験で普段の実力を発揮することができなかったからに他なりません。資格試験の本試験と言うのは、一種独特の雰囲気を醸し出しています。資格試験によってこの雰囲気はかなり異なります。例えば学生が多い資格試験の会場ではそれほどでもありませんが、人生を賭けて勉強をしているような難関の資格試験になるとその緊張感は半端ではありません。
まさに、周りは「敵」そのものです。そういった雰囲気に飲み込まれたり、あるいは、模試等で優秀な成績を収めているが故のプレッシャーが仇となって、魔物にやられてしまうということが実際は少なくないのです。普段の実力を十分に発揮するのが難しい、それが資格試験の本試験なのです。
普段どおりの実力を発揮するのは至難の技
魔物にしてやられる、そういった状況はすなわち「普段通りの実力を発揮することができない」という状況を意味します。なぜそうなるのか、それは、実際に本試験を体験してみれば分かります。
- 極度の緊張感
- 周りの受験生が皆頭が良さそうに見える
- 何とも言えない空気が漂っている
本試験の感じ方は人それぞれですが、「真剣に勉強してきた人」ほど、そのプレッシャーは大きくなります。意外と、合格を諦めているような受験生は、雰囲気に押しつぶされることなく、堂々としている傾向があります。いずれにしても、本試験では普段の実力の80%程度しか発揮することができない、と思って良いでしょう。
つまり、普段100点を取れていた人であれば、本試験で同じような問題が出題されたとしても、心理的な負担からおよそ80点程度になってしまうということです。
実際に、本試験に全く解けなった問題を家に持ってきて、「なんでこんなに難しいのが急に出題されるんだ?」と思ってもう一度眺めてみたら、いつもやっている問題とほとんど同じだったという経験は多くの人が持っていると思います。そのぐらい、本試験というのは冷静さや慎重さを普段通りに保つのが難しい場所なのです。
この場合、本試験で100%の力を発揮するためにはどうすれば良いのかそれには少なくても2つの方法が考えられます。1つは、本試験の場を徹底的に体験し、慣れること。本試験の雰囲気に慣れてしまえば、普段と同じ心理状態・精神状態で受験をすることができるということです。しかし、現実的に本試験を繰り返し体験するためには、その分だけ不合格を味わうということが必要です。これは現実的ではありませんし、1年に1回程度の本試験を数回受験したところで、慣れるという境地にまで到達できるとは思えません。
また、模試等を受験しまくるという方法もありますが、やはり模試は模試。どのような人がライバルになり得るのかという受験生の様子を見ることはできますが、本試験とは緊張感が180度近く異なります。
80%を100%に上げるための方法
それでは、もう一つの方法とは何でしょう。それは、「本試験では普段の実力の80%しか出せない」ということをまずは受け入れる。そうすると、本試験で100%の実力を発揮するための方法が見えてきます。
そう、それは「普段から120%の勉強をしておく」ということです。100点のテストを普段から120点取れるように勉強しておく。そうすれば、本試験で80%の実力に下がったとしても、100%の力を出すことができます。
もちろん、本試験では100点(満点)を取らなくても合格することはできるわけですから、普段から100%の勉強をしておけば本試験は80点で合格安全圏に入ることができるということになります。
厳密に、100%とか、120%の勉強とか、具体的な基準はないにはしても、「本試験では日頃の100%の実力を出すことはできない」と予め割り切っておくことは非常に重要です。そういう前提を持つことで、普段の勉強の取組みも意識的に変わってくることでしょう。
少なくても「火事場の馬鹿チカラ」と言うものはありません。確かにそのような現象が起こることは多いです。例えば、模試の点数がいつも悪かった初学者が、なぜか本試験では合格ラインに初めて到達した。これは、運でもなければ偶然でもありません。模試の問題を100%になるまで解き直した、そのような積み重ねが本試験でようやく実り、普段通りの実力を発揮することができた訳です。
合格者は見えないところで普段のチカラを80%から100%へ、100%から120%へ高めるために、復習を積み重ねています。それを忘れないようにしたいものです。
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