多様化する勉強ツール
デジタルの普及が凄い勢いで進んでいます。特に、携帯電話やパソコンは、インターネットなどの接続状況のインフラ整備が進み、インターネットへの常時接続は当たり前のようになっています。
それに伴い、資格試験の勉強ツールもかなり様変わりしています。昔と言えば、通信講座であれば、カセットテープが主流で、講義の模様をカセットテープに録音したものが毎週のように配送され、それを聞いたものです。個人的には、今でも倍速で聞けるカセットテープの通信講座は魅力的だと思いますが、ほとんど存在していません。私の知る限りでは、資格の学校TACくらいでしょう、未だにカセットコースがあるのは。しかし、まだまだこのコース、一部の人には人気があるのです。
通信講座の流れとしては、カセットテープからCDへ移り変わり、その後はビデオテープも登場して、音声だけではなく映像も一緒に見ることができるようになりました。その後、今から5年ほど前にDVD講座が登場し、最近ではWEB講座が配信されています。
WEB講座は、受講期間中であれば何度でも繰り返しパソコンで動画を見ることができる講座です。また、音声の講義としては、MP3データで受講することができるコースも登場しています。MP3と言えば、LECオンライン本校が先駆け的な存在でしょう。最近では、問題集などもDVDに収録されていたり、WEBで解くことができるものもあり、パソコンとにらめっこしながら勉強することができるようにもなっています。
いずれにしても、アナログからデジタルへと勉強ツールは移行しつつあります。
デジタルの良さ
デジタル講座の良さと言えば、気軽に勉強することができるということでしょう。パソコンに触れている機会が多いという人も少なくありません。その習慣を上手く活用して、勉強を行うことができます。また、デジタル媒体は、かさばらず、また保存性にも優れています。繰り返し受講したり、聞いたりということにも強みを発揮します。
携帯電話で問題を配信しているサイトもあり、電車の中で問題演習を行うこともできます。これは、時間の節約にもなりますし、細切れの時間に教材を取り出して・・・という面倒な作業も必要ありませんので、重宝する勉強スタイルかも知れません。
時間と場所を選ばず、インターネットさえ繋がる環境にあれば勉強できる、それがデジタルの魅力でしょう。
アナログはダメ?
一方、アナログの良さはと言えば、本試験は基本的にアナログだと言うことです。PCを使って本試験を受験する資格試験もありますが、ごくわずかです。資格試験の9割以上は紙ベースの試験です。
紙ベースと言うことはアナログですから、勉強もアナログでやっておいた方が良いということもあります。例えば、記述式や論文式の試験の場合には、デジタル慣れしてしまうと、本試験で漢字を書いたり、文章を書く時にスムーズにペンが進まない可能性があります。特に、税理士試験のようにスピードが求められる場合には、普段からアナログに慣れておく必要があります。
また、本試験は紙ベースですが、紙に書かれた問題とパソコンなどのモニターに映し出される問題とは、例え同じ問題であっても、違うもののように思えることがあります。その意味では、やはり本試験が紙であることを考えると、アナログという勉強方法、つまり、従来からの紙に書きながらシコシコ問題を解く、というスタイルも否定できるものではありません。問題集がボロボロになると言うのは分かる人には分かると思いますが、一種の快感ですし、自信に繋がることにもなります。
折衷型で行こう
いずれにしても、デジタルとアナログ、どちらが良い悪いということではありません。どちらもメリットがあればデメリットもあります。ただし、本試験が紙ベースであることを考えると、全てを最後までデジタルで完結させるのは危険でしょう。
そこで、アナログをベースとしながらも、細切れ時間を有効活用するためにデジタルを併用する方法がオススメです。
自宅にいるときはじっくりと紙ベースで問題を解きまくる。外出するときは、MP3音源で講義を聞いたり、携帯で問題を解いたり。出張のときは、パソコンで問題を解いたり。
やはり、まとまった時間が取れる自宅ではアナログベースで勉強をしたほうが良いでしょう。それを補う方法として、デジタルを併用するのが良いと思います。あるいは、最初は徹底的にデジタルで進めていって、最後はアナログオンリーに切り替えるというのもあるかも知れません。いずれにしても、本試験が紙ベースのアナログであることは忘れないようにしたいところです。
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