科目の絞り込みはどう考えれば良いのか?安易な妥協は不利!
1級販売士検定試験では、科目合格制度となっていますので、一度の試験で5科目を狙わなくても、3年の長期的なスパンで合格を目指すことが可能です。
既に第37回本試験まで時間も限られてきました。既に科目合格を狙っていた方は、そのまま進めていけば良いと思います。一方で、5科目合格を狙っていたが、自分の想定よりも遅れているあるいはその他の事情により5科目を一括して勉強するのが困難になってきた、と言う人は絞込みを考える時期です。
5科目の勉強から3科目や2科目へ絞り込むという人は実際には少なくないと思いますが、過去の経験から注意点を紹介しておきます。
科目が減れば勉強効率が上がるのは幻想?
あくまで人によるという前提を置きつつも、一般的に見れる傾向について知っておいてください。例えば、5科目を勉強していて、100の時間を使っていたとします。それでは、諸事情により厳しい(つまり、共倒れしそう)ので、勉強科目を減らすとします。具体的は2科目に思い切って絞る。
そうすると、理論的には今までは1科目に対して20の時間を割いていたものを、50割けるようになります。ですから、1科目に対して2.5倍の時間や労力を掛けることができるようになり、合格可能性は増加すると考えられます。
しかし、経験上このようなことが起こるのは稀で、2.5倍にはなりません。ほとんどの場合で、1倍~良くても1.5倍くらいです。つまり、科目を絞り込むことによってそれほど効率が上がると言うことはないというのが結論です。
これは、100の時間なり労力がそのままスライドするのではなく、80や50程度に減少してしまうからです。つまり、科目を絞ったことで、余裕が生まれる。この余裕がかえって勉強効率を悪化させてしまうことがとても多いのです。科目を絞った結果、絞り込まれた科目を同じ100の時間で対応しなければならないのにも関わらず、極端なことを言えば空いた60の時間を遊びに充ててしまうようなものです。
これは、自分に当てはめてみれば分かりますが、仕事などで忙しい時に限って集中力が高まったり、何とか片付けなければと言う意識が働いて時間を有効に使おうと考えます。考えていなくても、こなさなければならない必然がありますので、潜在意識が勝手にそうさせます。
一方、土日が休みで大量の時間がある時に限って、土曜の朝は「まあ2日間あるからゆっくりしよう」と昼頃から勉強を始めようとする。昼になったら、夕方からやろう・・・を繰り返していき、結局、2日間もあるのに全く勉強をしなかったという最悪の状況を経験したことがある人は、少なくないはずです。
実は、私も同じ性格で、時間がある時に限って仕事も勉強も捗りません。何かに追いかけられていた方がむしろ集中して早く仕事や勉強を片付けることができます。あなたもそうではありませんか?
考えるよりも手を動かす
だとすれば、仮に科目を絞ってもそれほど効率は上がりませんし、あまり意味がありません。むしろ、全科目にチャレンジすることを再度自分に誓って、残り時間がないからこそ全力投球すれば良いと思います。
今年の試験で科目合格を狙ったところで、5科目合格はあり得ませんから、どうせ2年越しの勉強になるわけです。だったら、5科目で挑戦して、仮に合格科目がゼロであっても2年目に5科目一括合格すれば、2年目に1級販売士に合格したと言う意味では同じですよね。
しかも、第36回の試験のように、比較的簡単な出題がされる可能性はゼロではありません。その場合、5科目を勉強していた人は一気に全科目合格を勝ち取ることができる可能性があります。しかし、科目を絞った受験生はどんなに簡単な問題であっても、5科目一括合格はあり得ないわけです。
本試験が終わった後にどうしたいか
本試験が終わった後の自分の状態をイメージしてみるのも一つの方法です。
科目合格に絞った場合には、「2科目に絞って完璧にできた」もありうるでしょうし、「3科目に絞ったが結局記述が解けなかった」もあるでしょう。さらに、「こんなことなら全科目やっておけば良かった」もあると思います。
一方、5科目を受験した場合には、「科目合格に絞ればよかった」と思う人は少ないと思います。なぜならば、科目合格に絞るよりも、「早く勉強を開始すればよかった」「年末年始、もっと勉強しておけば良かった」と思うことの方が強いと思うのです。
かといって、過ぎた時間は取り戻すことができるわけではありません。時間は公平に全受験生に同じように流れています。ですから、今の時間を大事にすること、これが最も重要です。
科目を絞るということよりも、「とりあえずできることは全部やった」と一定の達成感を求める方がはるかに重要なのです。その結果として合格があるわけであって、あくまで科目を絞ると言うのは戦略的な一面にしかなりません。
科目を絞ることの否定はするつもりもありませんし、実際にそれで長期的なプランで上手く合格まで勝ち取った人も多いです。ただ、もし、あなたが科目を絞るべきか否かで悩んでいるのであれば、悩んでいる時間を勉強に全力投球してください。
科目間の勉強内容が近接していますので、多科目受験によるメリットは少なくありません。第36回レベルの問題内容だとしたら、まだまだ一括合格は十分可能なのです。
合格するためのノウハウ完全版(第37回試験対策)
- 第36回から第37回の出題傾向を読む
- まずは過去問を眺める
- ハンドブックを1回転させる
- ハンドブックにマーカーでチェックする
- 第37回1級販売士の基本攻略法(1)
- 第37回1級販売士の基本攻略法(2)
- 科目選択について(これから勉強を開始する人の場合)(1)
- 科目選択について(これから勉強を開始する人の場合)(2)
- 科目の絞り込み(既に勉強を始めている人の場合)
- 過去問とハンドブックの使い方(1)
- 過去問勉強法の限界
- 過去問とハンドブックの使い方(2)
- 記述式対策の考え方
- キーワードで記述式の加点を狙うという意味
- 記述式試験の勉強範囲(1)
- 記述式試験の勉強範囲(2)
- 記述式試験の勉強範囲(3)
- 記述式勉強テクニック-キーワード抜き出し
- 記述式勉強テクニック-キーワードつなぎ
- 記述式解答テクニック-文章構成
- 点が線になるまでやりぬく
- 記述式解答テクニック-書き方
- 直前勉強法-皿回し
- 本番対応法-コラム1
- 本番対応法-コラム2
第37回向けよくある質問
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