勉強を開始する時に科目選択はどう考えれば良いのでしょうか






トップページ » 1級販売士対策 » 科目選択について(これから勉強を開始する人の場合)(1)

1級販売士の科目選択をどう考えれば良いのか(1)

1級販売士検定試験では、科目合格制度が採用されています。これは、一度に全科目(5科目)合格しなくても、科目ごとに合格を積み上げることができ、最終的に5科目合格すれば1級販売士合格として認めれる制度です。

この制度の趣旨はいろいろあるとは思いますが、簡単に言えば受験者に対する支援措置であり、一括合格しなくても良いという前提を置くことで、幅広い受験者を確保するものと言うことができます。科目合格制度は難関資格試験で多く採用されており、有名なものに税理士試験公認会計士試験があります。

ただし、恐らく1級販売士検定より難しいと思われる日商簿記1級は科目合格制度を採用していません。商工会議所が主催する検定試験で科目合格制度が採用されているのは1級販売士のみであり、かなり特殊な対応がなされています。

科目合格制度のメリットは、

  • 自分の可能な科目数だけ勉強をすることができる(自分のペースで合格を狙える)
  • 長期的な受験プランを構築できる(ただし、科目合格には有効期限がある)
  • 科目合格というリスク回避が可能(一発勝負に比べ勉強がムダにならない)

一方、デメリットとしては、

  • 科目ごとの勉強ボリュームが広がったり、難易度が高くなる傾向にある
  • 難易度の高い科目ほど、受験生が溜まるため、さらに難易度が高くなる傾向にある
  • 自分の都合を優先しすぎてモチベーションが続かない可能性がある(途中で諦める)

と言うようなものがあります。以上をまとめれば、科目合格制を採用している資格試験は、「一般的に難易度が高く、自分のペースで長期的な勉強プランを立案しチャレンジすることができる。しかし、特定の科目で難易度が上がったり、長期的な勉強プランが自分の思う通りに進むとは限らないことから、科目合格制だからといって合格しやすいというわけではない」となります。

基本的な勉強プラン

基本的には、あまり科目合格制にとらわれる必要はないというのがあります。ボリューム的にも難易度的にも科目合格制を設けるほどの試験であるかと言えば、必ずそうとも言い切れません。同じ科目合格制を採用している税理士試験の1科目と、1級販売士の1科目ではボリューム・難易度ともに比較対象になりません。税理士試験の1科目は、1級販売士の5科目分よりもボリューム・難易度ともに高いです。

そのため、科目合格制はあくまでリスクヘッジであって、まずは全科目合格を狙うのが基本的な勉強プランになります。むしろ、重要なのは学習開始のタイミングであって、理想は10月の2級販売士の試験を終了した直後になります。そうすれば、4ヶ月程度の学習期間が取れますので、5科目一括合格は難しくありません。

もちろん、早ければ早いに越したことはありませんが、あまりに早すぎてもやる気にならないものです。1級販売士の5科目一括合格を狙うための平均学習期間は6ヶ月程度と考えられますので、それ以上早く始めても逆にダラダラ勉強してしまうかも知れません。

また、1級販売士は試験内容が改正され、かなり科目ごとの内容が近接しています。つまり、異なる科目で同じような論点の学習が多く、出題も科目間を横断している傾向があります。ですから、科目それぞれが全く別個の内容ではないという点で、全科目を横断的に勉強した方が効率もよく、シナジーが得られる可能性が今まで以上に高くなっています。

科目狙いで攻める場合

全科目一括合格を狙うのが理想であるものの、極端に仕事が忙しい場合や、学習開始タイミングが遅くなった場合には、科目合格を狙っていく方法があります。

科目数の考え方は、1ヶ月1科目の勉強が可能という考え方で良いですが、その人の勉強時間がどこまで取れるのかと言うこともありますので、一概には言えません。例えば、1月から開始する場合には、本試験まで1月半という時間しかありませんが、2科目から3科目を狙うことも可能です。

もちろん、相当勉強に専念できるのであれば、1月開始からでも5科目を狙うことは不可能ではありません。ただし、これも時間だけの問題だけではなく、2級販売士の合格の有無や経営知識の有無など様々な要素により、一概には言えません。ただし、科目合格制とは言っても、2年で全科目を狙う計画を立てるようにしてください。

難しいのが、科目狙いの場合の科目選択です。先に説明したように、新試験内容になってから、科目間の関連性が高まりました。そのため、全科目一括合格狙いの場合には何の問題もありませんが、科目受験の場合には判断が難しいです。その理由は、新試験内容になってからまだ1回しか試験が行われていないため、どの科目が合格しやすいのかという根拠が薄いことです。

そこで、一般的に妥当と思われるいくつかの判断方法を提示しておきます。

1.好きな科目を選択する

単純ですが、タイトルの通りです。結果的に、苦手(あまり好きではない)科目が次年度に持ち越しになりますが、1回目の試験で合格科目を積み上げることを優先します。その方が、モチベーションも維持しやすいと言えます。2科目から3科目、自分にとって勉強しやすい科目を選択して、勉強を進めるようにします。

2.ストアオペレーション+α

ストアオペレーションは、1級販売士における目玉的な科目であり、この科目は先に押さえておきたい科目だとも言えます。目玉科目と言う根拠は、当該科目のみ旧免除対象科目から新免除対象科目に適用がなされませんでした。その理由を、日本商工会議所は以下のように説明しています。

Q ストアオペレーション科目は、なぜ全員が受験しなければならないのですか?

A4. ストアオペレーション科目は、従来の科目体系にはなかった科目で、実務的で実践的な新しい内容が含まれています。時代のニーズに合わせて抜本的に改定した5科目のなかで、学習する皆さん全員に是非とも修得していただきたい知識と考えています。

ストアオペレーション+後は好きな科目が考えられます。

3.科目近接度を考慮する

似ている科目間を一緒に受験する方法です。どの科目が似ているのかと言うは一概には言えない部分がありますが、例えば「マーチャンダイジング」と「販売・経営管理」の2科目は、計算的な内容が含まれると言う意味で似ています。(計算問題が必ずしも出題されるということではありません)

同様に、「マーチャンダイジング」と「マーケティング」は市場対応や顧客視点という意味では似ています。

その他、自分で一通り過去問やハンドブックを見比べて、似ていそうな科目あるいは自分で関連が高いと思う科目を選び出して選択します。

科目選択をした場合の注意点

科目選択をした場合には、もう一つ考えておきたい注意点があります。それについては、
科目選択について(これから勉強を開始する人の場合)(2)をご覧ください。



合格するためのノウハウ完全版(第37回試験対策)
第37回向けよくある質問

販売士検定情報サイトNo.1

おかげさまで販売士の情報量No.1! 3級から1級まで対応しています。
2008年の運営開始から更新を続け、情報量が多くなっております。販売士合格へ向け有効にご活用いただくために、サイト内をゆっくり循環して散らばった宝の情報を掘り当ててください。基本的には、各級ごとに情報をまとめてあります。